子供たちの生活、学費、医療費、衣服、生活、施設運営などを、支援をさせていただいている施設です。今、新しく施設を建設し引っ越しをするべく計画を進めています。
久しぶりのネパールは、何もかもが見違えるように変わっていました。政治が安定し、きちんと機能を始めており、僅かな間に様々な問題が一気に解決に向って動いていました。
道は舗装されており、車が普通に走る事が出来るようになっていました。さらに水道が開通し、水が当たり前に使えるようになっている事、電気が開通しており電気が普通に使える事、夜、街灯が灯っているのに感動しました。ネパールのそれまでは夜は真っ暗でした。わずかな間にここまで変わるのか・・・と驚きました。街の中から大変さが消え、至る所に快適さ、余裕が溢れていました。
ついこの前まで義務教育がなく、子供たちの殆どが読み書きも出来ない状況でした。貧困の負のループから抜け出すには、教育が必要でありました。子供たちが大切な労働力であり、教育を行うにはまず労働力の問題解決、生活安定が必要であり、生活支援を含めた長期的な大きな支援が必要でした。やがてネパールで義務教育がスタートしました。
義務教育がスタートして、数年ですが、子供たちの学習力はとても高く、今は世界でトップクラスの大学に留学する子供もいます。
今のネパールでは、子供たちの高度な勉強に対応できる先生がいません。先生の能力を子供たちが上回っています。子供たちは先生に頼らず、YouTubeを使って独学をしています。
またドイツなどヨーロッパの国では、大学が奨学金をだしてネパールの学生を留学生として迎え入れ、高度な教育を与えるようにもなっています。
これまでネパールでは、首都カトマンズで一生懸命に働いても、十分な賃金、報酬を得ることなく、家賃すら払えず、不法ですが路上でテント生活をする人が沢山いました。コロナ渦では、不衛生で密接に暮らす不法な生活をする人々が、ネパール政府により強制退去させられました。
コロナ渦では、仕事もストップしてしまい、沢山の人々が家もお金も食べ物もなく、生活が出来なくなり、学校、MS図書館、地域の母親たちと共に、支援活動をさらに強化しました。
その後、家族親戚が集まり6畳ほどの部屋を借りて、家族親戚で共働生活をするスタイルに移行しました。家族親戚が働き、全員で家賃、食事、学費、家計を支えて暮らすスタイルです。
多い場合は20人くらいが集まり、集団生活をしている家庭もあると聞いています。海外に出稼ぎに行くと、高収入が得られることから、外国語を学びたいというニーズが高まりました。MS図書館でも日本語を中心に外国語の授業を、子供たちの親たち、家族親戚にも行いました。
子供をもっといい学校に行かしたい、生活を楽に豊かにしてあげたい・・・親たちの愛情はとても強く、もの凄い勢いで日本語を学び、外国へ出稼ぎが出来るレベルになりました。
今、ネパールに暮らす人々、若者の多くはネパールから世界中に出稼ぎに出ています。これまで学校運営、学校支援、MS図書館での塾の活動による教育支援を受けた子供たちが育ち、若者となって海外に出稼ぎに行くようになりました。
海外へ出稼ぎに出て、外国の高い報酬、給料を受け取り、ネパールで暮らす家族に仕送りをしています。
例えば家族親戚10人で生活していた家庭の5人が、外国へ出稼ぎに出ると、外国基準の報酬が5人分、ネパールの家族親戚のもとへ仕送りされます。
今、ネパールでは外国へ出稼ぎに行った若者の生活支援により、家族の収入が大きくなり、もの凄いスピードで生活がとても豊かになっています。
国の生活支援、就労支援もよくなっており、家のない路上で暮らす人々、生活の厳しい人は、国の管理する施設にはいり、技能教育を受けて就職できるまでのサポートが受けられるようになっています。
私達が行って来た活動を国も行うようになってきました。この数年の間に、いろんなことが変わってきました。
ネパール障がい者リハビリテーションセンターを訪問しました。
ネパール障がい者リハビリテーションセンターはネパールカトマンズのゴカルナという場所にあります。
子供たちの生活、学費、医療費、衣服、生活、施設運営などを、支援をさせていただいている施設です。今、新しく施設を建設し引っ越しをするべく計画を進めています。
施設の先生方が大歓迎で出迎えてくださりました。
私達が訪問した時は、ネパール障がい者リハビリテーションセンターの子供たちは学校に行っており、施設に子供がいませんでした。
障がい者リハビリテーションセンターも、障がい者の施設として、どう変化していけばいいのかを検討している所でした。いろいろと話をしました。
障がい者リハビリテーションセンターは、障がい者施設という事もあり、ネパールの国が変化成長していく流れとは、少し違う流れでした。
施設を引っ越しして、新しい施設をつくるように、土地や建設の計画について話ました。障がいに終わりはなく、継続して支援を必要とする施設である為、今後も継続していく為にどうするかを検討していました。
私達が障がい者リハビリテーションセンターを訪問した時、子供が一人施設内で、勉強をしていました。
この子の名前はハルカマン・ガルティマガル君です。ハルカマン・ガルティマガル君には両腕がありません。足でキーボードをたたき、マウスを操作し、口にペンを加えてノートをとり、とても難しそうな数学の問題を独学で勉強していました。

目はモニターを真っ直ぐに見つめ、周囲の事はまるで見えていません。すごい集中力で、ひたすら勉強をしていました。
本人の目標に向って真っ直ぐの姿には、両腕がないという、ハンデすらも関係なく、とても美しく感じました。
夢はパラリンピックでネパールに初の金メダルをもたらす事。そして自分は将来エンジニアになる事です。エンジニアになる為には、奨学金をもらわない場合は、数千万の自己費用が必要です。なので、今はわき目もふらず猛勉強中でした。凄まじい集中力です。そしてその夢は、優しいみんなを幸せにする夢でした。夢に向かっての、あまりに美しく真っ直ぐな眼差しから、教わるものが沢山ありました。支援とは何なのか?を見直すきっかけとなりました。
ハルカマン・ガルティマガル君にとって、腕が無いという事が、一切のハンディになっていません。周りの支援が、ハルカマン・ガルティマガル君の夢を照らし、生きる意味を照らし、ひたむきに明日に向かって努力をしていく、美しい姿になっています。

障がい者リハビリテーションセンターで働く施設の方々が、普通にただの障がい者支援を行っても、子供がここまで育ちはしません。それは本当に家族として子供の中に在る、イノチの輝き敬い、大切に、子供を信じる心で関わっていくから、生まれていく絆です。家族の絆です。
家族として共に生きる、施設の人々の心に、とてもとても感動しました。
ここの施設の皆様がみんな家族として暖かいサポートを行っていらっしゃることに、頭が下がります。
みんながそれぞれに、希望を持って暖かく過ごしている素晴らしい、美しい場所でした。

施設の方々からは、ネパールが変化していく中でも、私達が継続し変わらぬ支援を下さったからこそ、出来たことだとお礼を言ってくれました。
一回だけの支援で切れてしまうなら、施設はもうなくなっていた事、継続して下さる事がここまでの支援となった事を、お礼として話してくれました。
私達のこれまでの長期の支援を、母心としてネパールに根付かせることが出来たらと思いました。ハルカマン・ガルティマガル君のように、次のネパールの子供達、その次のネパールの子供達、世代を超えて優しく紡がれる、子供を育む母性をネパールに根付かしたい、豊かな自然と共にネパールが発展して欲しいと思いました。
今後、障がい者リハビリテーションセンターが、変わっていくネパールの中で、継続していける事が出来るように、自立してやっていける事が出来るように、支援をさらにアレンジするチャレンジをしていこうと思いました。
障がい者支援を行う、優しい母の力を結集させ、何かしらのお仕事をスタートさせようと思いました。
そこで施設でミシンを購入し導入するようにしました。女性たち、お母さんたちがミシンの使い方を勉強し、女性たちで仕事を作って、仕事を通じて社会と交流出来るようにします。
ネパールはまだまだ男性社会です。出稼ぎに出ている若者が、外国の新しいものをネパールに持って帰ってきても、今のネパールには外国への反発する社会構造、それを芽吹かせるための、やわらかさがありません。まだまだ古い考えの殻に閉ざされています。
ですが、今のネパールで女性が立ち上がり、社会進出していくと、ネパールは柔らかく柔軟になります。すると出稼ぎの若者が、新しい何かをネパールに持って帰って来ても、それを根付かせる事が出来やすくなります。
今、世界は多様化が加速しています。性別、宗教、民族・・・・あらゆる壁を超えて、みんなが輪となり、支え合う幸せの形が、ネパールの基盤となると素晴らしいとおもいました。
支援から更なるスタート
障がい者リハビリテーションセンターをはじめ、ネパールの優しい女性たち、お母さんたちと、子供たちと一緒に社会進出を計画しています。
今後の先の未来を見据えて、現在の障がい者リハビリテーションセンターから、引っ越しをして新しい場所で、建物も一から建設する事も検討しています。
第一弾として、ミシンを大量投入し技能講習を行います。今後、施設が自立して継続できるように、優しい女性たちが集まり、新しい仕事を通じて社会進出、事業をスタートさせ、子供たちと共に成長していけるよう施設のサポートを行いたいと思っています。
この先、出稼ぎから戻ってきた若者にとっても、夢あるネパールの優しい社会基盤つくりとなれる事を願っています。孤児、障がい者支援のハートから、次なる新しい活動をスタートさせます。
2024年度からは、孤児、障がい者支援の母たちの優しさを社会事業の応援を交え、インド、ネパール子供たちの更なる支援を行って参ります。
ネパール内で仕事をつくり、仕事を通じて施設の運営と子供たちの将来の育成を行っていけるような新しい取り組みです。
まずはミシンを使って、技術講習からスタートです。今は初めてミシンに触れる女性たちですが、これからいろいろチャレンジしていきます。
皆様にもご案内をさせて頂きますので、楽しみにしてください。